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岡山県の中小企業が使えるAI・DXの公的支援まとめ【2026年10月時点】|補助金・無料相談・進め方

岡山県でAIやデジタル化に取り組みたい中小企業は、どの窓口に相談し、どの補助金を検討できるのか。県内向けの補助金、岡山市・倉敷市の制度、無料で使える相談窓口を、2026年10月3日時点の公式情報で整理しました。

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この記事の要点

  • 岡山県内の中小企業がまず使えるのは、無料の相談窓口です。岡山県よろず支援拠点は国が設置している無料の経営相談所で[1]、同拠点の生産性向上支援センターは専門家が現場に入り、無料で複数回(標準回数10回)支援します[2]。
  • 岡山市には、IoT・AI・ロボットの「事前検証」(補助率1/2・上限150万円)と「本格導入」(補助率1/3・上限750万円)を段階ごとに支援する補助金と[3][4]、DX推進事業補助金(補助率1/3・上限1,000万円、令和8年10月15日まで募集)があります[5]。
  • 県内事業者向けの「デジタル化による生産性向上等支援補助金」(上限200万円)は、令和8年度の申請受付が7月15日に締め切られています[6]。締切を過ぎた制度が多い時期なので、今は次の募集に向けた準備の時期だと私たちは考えています。
  • 準備のおすすめは、①業務の棚卸し → ②相談窓口で課題を整理 → ③小さく試す → ④補助金の要件に合わせて計画を書く、の順番です。

「AIを使ってみたいが、岡山で相談できるところはあるのか」「県や市の補助金は使えるのか」。岡山県の中小企業の経営者から出やすい疑問に答えるため、県内で使える公的支援を、公式ページで確認できた情報だけで整理しました。

この記事の制度の内容・金額・期間は、2026年10月3日に各公式ページで確認したものです。補助金は年度や募集回ごとに内容が変わり、予算の状況で早く終わることもあります。申請を検討するときは、必ず各ページの最新の情報と募集要項を確認してください。国の補助金(デジタル化・AI導入補助金など)は、別の記事「中小企業のAI導入に使える補助金・公的支援まとめ」で扱っています。

岡山県で使える主な支援の一覧(2026年10月3日時点)

確認できた制度を、相談・補助金・人材育成に分けて一覧にしました。

支援対象内容状況(10月3日時点)
岡山県よろず支援拠点中小企業・小規模事業者など[1]無料の経営相談。相談対応時間は1時間(上限:1日1回)[1]相談受付中(予約優先)[1]
生産性向上支援センター(岡山県よろず支援拠点)現場の生産性向上に課題を抱える中小企業・小規模事業者[2]専門家が現場に入り、無料で複数回支援(標準回数10回)[2]相談受付中[2]
デジタル化による生産性向上等支援補助金岡山県内に事業所等を有する中小企業者[6]補助率:中小企業1/2以内、小規模事業者2/3以内。上限200万円・下限10万円[6]申請受付は令和8年5月15日〜7月15日で終了[6]
岡山市 IoT・AI等先端技術導入支援補助金(事前検証事業)岡山市内に本社もしくは主要な事業所がある中小企業者[3]補助率1/2・上限150万円[3]募集(3)の締切は令和8年9月30日[3]
岡山市 IoT・AI等先端技術導入支援補助金(検証済み先端技術導入事業)事前検証により導入効果や実現性を確認した事業者[4]補助率1/3・上限750万円[4]募集(3)の締切は令和8年9月30日[4]
岡山市DX推進事業補助金岡山市内に本社もしくは主要な事業所がある中小企業者[5]補助率1/3・上限1,000万円。DX推進計画書の作成が必要[5]令和8年10月15日まで募集[5]
倉敷市 人「財」育成支援補助金従業員の人材育成を行う倉敷市の中小企業者[7]指定分野(デジタルトランスフォーメーションなど)の研修の受講費などを補助[7]申請期限は令和8年4月1日〜令和9年2月26日[7]

10月の時点では、県内向けの補助金と岡山市のIoT・AI補助金は今年度の締切を過ぎています。一方、相談窓口は年間を通して使えます。補助金の募集が始まってから準備を始めると間に合わないことが多いので、募集のない時期に相談と準備を進めておくのがおすすめです(私たちの考えです)。

まず相談する:岡山県よろず支援拠点

よろず支援拠点は、国が全国に設置している無料の経営相談所です[1]。岡山県よろず支援拠点は、中小企業・小規模事業者や創業予定の方などの、売上拡大や経営改善といった経営上のあらゆる悩みの相談に対応しています[1]。

  • 費用:無料[1]
  • 相談対応時間:1時間(上限:1日1回)。予約優先[1]
  • 場所:本部(岡山市北区芳賀のテクノサポート岡山・公益財団法人岡山県産業振興財団内)、岡山サテライトオフィス(岡山市北区磨屋町)、津山サテライトオフィス(津山商工会館)[1]
  • そのほか、各地域で相談対応を行う「出前よろず支援拠点」がある[1]

「AIで何ができるのか分からない」「どの業務から手をつけるか決められない」という段階でも相談できます。相談の前に、自社の業務と困りごとを書き出しておくと、1時間の相談を有効に使えると私たちは考えています。

現場に来てもらう:生産性向上支援センター

岡山県よろず支援拠点の生産性向上支援センターは、現場の生産性向上に関する課題を抱える中小企業・小規模事業者を対象に、専門家が伴走支援を行う公的支援窓口です[2]。相談だけで終わるのではなく、課題の整理、改善の方向性づくり、実行支援までを視野に入れた伴走型の支援を特徴としています[2]。

  • 無料で複数回の支援が可能(標準回数10回)[2]
  • 専門家が現場に入り、実行まで伴走する[2]
  • 主な支援内容:5Sの導入・定着、ムリ・ムラ・ムダの削減、工程改善・作業分析、レイアウトの見直し、自動化・省人化の検討、IT・デジタルツール活用、品質管理の見直し、人材マネジメントの改善、改善の進め方づくり[2]
  • センターの支援を受けると、省力化投資補助金(一般型)の審査で加点が受けられる[2]

同センターのページには、現場によくある課題として「紙やExcelへの転記作業に時間を取られている」「担当者しか分からない仕事が多い」「改善したいが、どこから手をつければよいか分からない」などが挙がっています[2]。AIやデジタルツールを入れる前に、現場の流れを整えるところから手伝ってもらえる窓口です。

岡山市の補助金:事前検証から本格導入まで段階ごとに支援

岡山市は、市内中小企業者のデジタル化や自動化による労働生産性向上・競争力強化を図るため、工場や店舗等のIoT化、AI技術の導入、ロボット活用に係る経費を補助しています[3][4]。特徴は、事前検証から本格導入まで、段階に応じた2つの枠があることです[3]。

枠対象となる取組補助率・上限対象経費の例
事前検証事業IoT・AI・ロボットの導入に向け、導入効果や実現性を確認するための事前検証[3]1/2・上限150万円[3]コンサルティング費用、AI等導入の実証実験(PoC)にかかる委託費、クラウドサービス利用料など[3]
検証済み先端技術導入事業事前検証により導入効果や実現性を確認した事業者が、IoT・AI・ロボットを本格的に導入する取組[4]1/3・上限750万円[4]システム等の設計・開発の委託費用、機械装置、ソフトウェア、クラウドサービス利用料など[4]

令和8年度は3回の募集があり、募集(3)の締切は令和8年9月30日でした[3][4]。本格導入の枠は、前年度に事前検証事業を行った事業者か、独自に検証作業等を実施して同等と認められる事業者が対象です[3]。

事前検証事業の過去の採択事例には、目視点検工程をAI画像センサーに代替させる検証や、属人化している業務の知識や技術を全社的に活用できる形にするために、生成AIを活用した社内向け技術ナレッジ検索チャットボットの構築を検証した例が載っています[3]。

「いきなり大きく導入せず、まず小さく試して効果を確かめる」という進め方が制度の形になっており、AI導入の順番として理にかなっていると私たちは考えています。

岡山市DX推進事業補助金(令和8年10月15日まで)

岡山市DX推進事業補助金は、岡山市内の中小企業のデジタル化推進による企業変革(顧客起点の価値創出やビジネスモデル変革、新商品・新サービス開発等)を支援する補助金です[5]。補助率は1/3、上限は1,000万円で、令和8年度の募集期間は令和8年10月15日(木曜日)までです[5]。

対象は、DX推進計画書を策定している企業のデジタルサービス実装に対する取組です[5]。DX推進計画書は、企業が3〜5年後に目指す経営ビジョンに基づき、その実現に必要なDX戦略を具体的に示す計画書とされています[5]。全社的又は組織を横断する業務・製造プロセスのデジタル化などに当たり、生産管理・販売管理・営業管理・データ分析などのシステムの実装を伴うことが要件です[5]。

1つのツールを入れる補助金ではなく、会社全体の変革を前提にした制度です。申請には中期のビジョンと全社の業務の整理が必要になるため、締切の直前に準備を始めるのは難しいと私たちは見ています。来年度以降の募集を見すえて、今から計画づくりを始めるのが現実的です(来年度の実施は公表されていないため、市のページで確認してください)。

県内事業者向け:デジタル化による生産性向上等支援補助金

「デジタル化による生産性向上等支援補助金」は、県内事業者の生産性向上や新たな販路開拓に向けたデジタル化への投資を支援し、賃上げ原資の獲得に資することを目的とした補助金です[6]。事務局は岡山県商工会連合会です[6]。

  • 補助対象者:岡山県内に事業所等を有する中小企業者(中小企業支援法第2条第1項の定義)[6]
  • 補助率:中小企業1/2以内、小規模事業者2/3以内。いずれも上限200万円・下限10万円[6]
  • 補助対象経費:システム等導入費、システム等利用料、販促デジタル化推進費、設備等購入・設置費、セキュリティ対策費、技術指導費[6]
  • 申請方法:Jグランツによる電子申請(GビズIDが必要。代理申請は不可)[6]
  • 令和8年度の申請受付期間:令和8年5月15日〜7月15日(終了)[6]

今年度の受付は終わっていますが、GビズIDの取得には申請から2〜3週間かかることもあると案内されています[6]。次に同じような募集があったときにすぐ動けるよう、GビズIDの取得だけは先に済ませておくことをおすすめします。

倉敷市:人材育成の補助金

倉敷市の人「財」育成支援補助金は、研修の受講等により従業員の人材育成を行う市内の中小企業者に補助金を交付する制度で、市は社内のIT担当者の育成やリスキリングへの活用を呼びかけています[7]。

令和8年度の指定分野には「デジタルトランスフォーメーション」があり、ICTツール導入やデジタル技術の活用により業務の効率化や生産性の向上などを行うための技術習得や学習が想定されています[7]。ITパスポート試験などの試験・検定の受検料も対象です[7]。申請期限は令和8年4月1日から令和9年2月26日までで、補助対象は交付決定後に受講・受験したものに限られます[7]。

AIを使いこなすには、ツールより先に「使える人」を社内に育てることが欠かせません。設備やシステムの補助金だけでなく、人材育成の制度もあわせて確認することをおすすめします。お住まいの市町村に同じような制度がないか、市町村や商工会議所・商工会に問い合わせてみてください。

補助金の前に済ませたい準備(私たちの考え)

ここまでの制度を並べると、共通点が見えてきます。岡山市の補助金は事前検証と本格導入を分けており[3]、DX推進事業補助金は中期のビジョンにもとづく計画書を求めています[5]。どちらも、「何のために、どの業務に入れるのか」が整理できていることが前提です。私たちは、次の順番で準備することをおすすめしています。

順番やること使える支援
1. 業務を棚卸しする誰が・どの業務を・どれくらいの時間で行っているかを書き出し、時間がかかっている業務を見つける生産性向上支援センター(現状の整理から支援)[2]
2. 相談して課題を絞るどの業務から手をつけるか、AIやデジタルが向くかを第三者と確かめる岡山県よろず支援拠点[1]
3. 小さく試す1つの業務で試し、効果を数字で確かめる岡山市の事前検証事業(岡山市内の事業者)[3]
4. 計画を書いて申請する試した結果をもとに、導入の範囲と投資額を決めて計画にまとめる岡山市の本格導入の枠・DX推進事業補助金、県内向け補助金、国の補助金[4][5][6]

倉敷市の制度のように、事業の完了と実績報告のあとに補助金が交付される流れの制度もあり[7]、その場合は先に支払うための手元の資金と、申請・報告の手間が必要になります。「補助金があるから何か入れる」ではなく、「やると決めた取組に合う制度を探す」という順番をおすすめします。

業務の棚卸しの進め方は「業務棚卸しのやり方」、AI導入全体の進め方は「中小企業のAI導入ガイド」の記事で紹介しています。私たちEnbitoは、業務の棚卸しから始めるAI活用の支援を行っており、縁SCANは社員への聞き取りをもとに業務を見える化するための道具です。

よくある質問

Q.岡山県の中小企業がAI導入について無料で相談できる窓口はありますか?
A.岡山県よろず支援拠点があります。国が全国に設置している無料の経営相談所で、相談対応時間は1時間(上限:1日1回)、予約優先です[1]。現場の改善まで手伝ってほしい場合は、同拠点の生産性向上支援センターが、専門家による現場での支援を無料で複数回(標準回数10回)行っています[2]。
Q.岡山市のAI導入の補助金はいくらまで出ますか?
A.岡山市のIoT・AI等先端技術導入支援補助金は、事前検証事業が補助率1/2・上限150万円、検証済み先端技術導入事業が補助率1/3・上限750万円です[3][4]。令和8年度は募集(3)の締切が令和8年9月30日でした[3][4]。岡山市DX推進事業補助金は補助率1/3・上限1,000万円で、令和8年10月15日まで募集しています[5]。
Q.岡山市以外の事業者が使える県内の補助金はありますか?
A.令和8年度は、岡山県内に事業所等を有する中小企業者を対象にした「デジタル化による生産性向上等支援補助金」(中小企業1/2以内・小規模事業者2/3以内、上限200万円)がありましたが、申請受付は令和8年7月15日で終了しています[6]。倉敷市には、デジタル分野の研修の受講費などを補助する人「財」育成支援補助金があります[7]。国の補助金については、別の記事「中小企業のAI導入に使える補助金・公的支援まとめ」をご覧ください。
Q.補助金の募集が終わっている時期は、何をしておけばよいですか?
A.私たちは、業務の棚卸しと相談窓口での課題整理を先に進めておくことをおすすめしています。電子申請に必要なGビズIDは、取得に2〜3週間かかることもあると案内されているため[6]、先に取得しておくと次の募集ですぐ動けます。来年度の制度の有無や内容は、各公式ページで確認してください。

参考・出典

  1. [1]岡山県よろず支援拠点「よろず支援拠点とは」
  2. [2]岡山県よろず支援拠点「生産性向上支援センター」
  3. [3]岡山市「「IoT・AI等先端技術導入支援補助金(事前検証事業)」の申請者募集(2026年9月8日)」
  4. [4]岡山市「「IoT・AI等先端技術導入支援補助金(検証済み先端技術導入事業)」の申請者募集(2026年9月8日)」
  5. [5]岡山市「「令和8年度 岡山市DX推進事業補助金」の申請者を募集します(2026年9月10日)」
  6. [6]岡山県商工会連合会(デジタル化による生産性向上等支援補助金事務局)「デジタル化による生産性向上等支援補助金」
  7. [7]倉敷市「人「財」育成支援補助金(商工労働部 商工課)」

制度・数値は2026.10.03時点で各公式情報を確認したものです。補助金・助成金などは公募回ごとに内容が変わるため、申請の前に必ず最新の公式情報をご確認ください。

Author

中胡 翔太郎株式会社Enbito 代表取締役

広島県出身。大手日系事業会社で生成AIを実際の業務に組み込み、大手外資系コンサルティングファームで企業の業務改革を支援。個人事業として30社以上の企業・事業者の立ち上げと成長に伴走。現在は株式会社Enbitoの代表として、地方の中小企業のAI活用支援・業務改善に取り組んでいます。

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